56戦目

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56戦目
「埼玉のモナコ川越2号店たらいうとこから敵が攻めてきたらしいぞ」
「曹操が自分で攻めてきたんだと」
訓練が終わって木陰でのんびりしていると城付きの兵たちが話している声が聞こえてきた。
また戦か。ぼんやりとそんなことを思いながら弓を手に取る。

甘寧将軍の部隊に配属されてからもうどれくらい戦っただろう。
隊の顔ぶれも少しずつ変わり俺もいつの間にやら最古参になっていた。
弓兵も昔とは随分変わった。訓練に接近戦の特訓も加わり新兵たちも悲鳴をあげている。
しかし、これも生き残るためだ。

ぽけとかいう指揮官も配属された時よりはだいぶ見られるようになった。
ヘボな指揮官の下で働く兵隊なんて命がいくつあっても足りゃしない。
少しでも早くマシになってもらわなきゃな。

「おぅ、張二来たか。新兵どもはどうだ。やれそうか。」
「はい。なんとか間に合ったようです。まだ甘将軍の満足するところまでは
 難しいかもしれませんが、取り合えず戦場で使い物になる程度には仕上げました。」
「おぅ、上等だ。今回の敵は曹操、司馬懿、曹仁、典韋だとよ。
 ちんたらしてたら命がいくつあっても足りない相手だ。ビシッとさせろよ。」
甘寧興覇将軍、この乱世を共に戦うにこれほど頼りになる人はそうは居ないだろう。
装飾がほどこされた愛用の大斧を手入れする姿は部下として頼もしい。
「曹操・司馬懿あたりはまた得意の伏兵ですかね」
俺は以前曹操の軍と戦った時の事を思い出しながら聞いた。
「だろうな。あいつら馬鹿の一つ覚えみたいにそればっかりだ。
 だが、分かっちゃいてもどうにもなんねぇってレベルにまで鍛え上げられて
 やがるからな。せいぜい満寵のヤツに頑張ってもらうさ。」
今回の戦、甘寧将軍には自信があるようだ。どうやらまた生き残れそうだ。

「今回の顔ぶれだと典韋あたりですかね。最初の狙いは。」
「だな。あいつは馬鹿だが戦闘力が高いってのは間違いない。俺たちの弓で
 蜂の巣にしてやるってのが一番味方に被害が少ないだろうさ。」
「陣敷けぇーっ!」
指揮官付きの伝令が走り回っている。いよいよ戦が始まるということだ。

「お前ら、生き残りたかったら俺の指示に従え。訓練通りにやれば大丈夫だ。」
新兵たちに気合を入れつつも安心させようと声をかける。
「甘興覇の鈴の音を聞いて無事に帰れるのは味方だけだ。敵兵を蹴散らしてやれ。」
この戦は勝てる。そう信じてなきゃやってられやしない。

戦場は平地、櫓の造成は間に合わなかったようだ。
が、満寵・程普両将軍の部隊は防柵の設置は間に合わせたようで俺たち弓隊も
これでなんとか射撃に専念できそうだ。

しかし敵部隊は、こんな何も無い平地にどうやって兵を伏せているんだろうか。
曹操・司馬懿、世に聞こえた智謀の士だそうだが確かに俺なんかには及びもつかない。
せいぜい新米指揮官殿に頑張ってもらわなくては。

甘将軍が指揮官殿に聞いたところによると、
敵部隊は典韋、曹仁で拠点を守りつつ我が軍を誘い込み、左右に伏せている
曹操・司馬懿の兵で包み込むように攻撃してくるつもりらしい。

うちとしては、漸進して典韋を射倒しつつ、満寵将軍に片方の伏兵を探し出してもらって
一気に攻城といきたいって事らしい。そうありたいものだ。

「甘寧隊・程普隊、進め!」
号令とともに弓部隊が動き出す。敵典韋部隊を狙い撃ちにするためだ。
「よしっ、今だ。撃てぇ!!」
新兵たちの顔が興奮して赤くなっている。戦場の空気、生と死のギリギリの場所。
「撃ちまくれっ!奴ら、穴だらけにしてやれ!!」
言いながら矢を射こんでいく。

曹仁の騎馬隊が猛烈な勢いで迫ってくる。しかし引くわけにはいかない。
「弓撃て!敵の騎馬隊は気にするな。満寵がなんとかする。
 お前らは弓撃ってりゃ良い、必死で撃て!」
甘将軍の言葉に、そして鈴の音に兵たちは勢いづく。
曹仁隊は甘将軍の言葉通り、満寵隊の槍に怯えるように引き返していく。

典韋を倒したころ伏せていた司馬懿を満寵将軍が発見した。
「司馬懿を撃て!逃がすな!!」
再び甘寧将軍の檄が飛ぶ。俺たちは腕が痺れるほどに弓を引き続ける。

満寵隊は退き、潘璋隊が曹仁を押さえている間に攻城することになった。
「やっちまえ!」
「攻めて攻めて攻めまくれぃ!」
城壁を攻撃し、敵城を落としにかかる。
「振り返るな、後ろは曹彰が守る。このまま城を落とせ!」

「曹仁は倒した!俺たちも城を攻めるぞ!!」
背後からの味方の声、潘璋・曹彰隊が城攻めに加わる。
敵指揮官が再起をかけて部隊を編成しなおしたらしい。
が、うちの指揮官も負けずに連環をかけ敵の動きを止める。
敵が城から迎撃に出てくる前に落としてしまうつもりのようだ。

「叩き潰せ!」
「やっちまえ!」
各部隊の声がこだまする。
「天は我に味方せり!」
伏せていた曹操が防御に戻ってきたようだ。
「無念」
程普隊が撤退していく。

しかし曹操は一足遅かったようだ。
「はっはっ、なんという強さだ!」
潘璋将軍が攻城を果たしこの戦は終わった。
終わってみれば危なげなく終始我が軍優勢のままの勝利だった。
「よっしゃ!勝ち鬨を挙げろ!!」

兵たちが敵拠点の中へなだれ込む。
こんな所、どうせ何もありはしないのだが嬉しくて仕方ないのだろう。
興奮に体が疼いて、走らずにはいられないのだろう。

「おぅ、張二。てめぇ、何一人でたそがれてやがんだよ。
 甘寧隊の人間は勝った時には酒かっ喰らってはしゃぎやがれ。」
肩に手を回して頭をくしゃくしゃとかき乱したのは甘寧将軍だった。
部下たちの様子を見て回っていたのだろう。部下思いの良い上官だ。
「負けた時だって酒飲んで騒ぐじゃないですか。」
「馬鹿、ありゃ陰気を払ってんだよ。良いから飲みやがれ。」
「飲みますよ。こうなりゃ甘将軍の分まで全部飲みきってやりますとも。」
俺は将軍の手から酒を奪い取ると一気に飲み干した。
そうさ、俺は生き残ったんだ。
今日くらいは飲んで酔ってぐっすり眠ろう。
そしてまた明日から戦う。いつか戦いが終わるその日まで。

※張二:ちっさい兵隊さんの中の一人に勝手に名付けた56戦目のオリキャラ?です。
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